相手を思いやること

ディズニーランドで携帯忘れた!?

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「あっ!!!! 携帯が無い…!!!

もしかしたら、さっきのベンチに忘れたかも!!!」

「?!、直ぐに戻って、確かめよう!」

 
夏の暑い東京ディズニーランド、午後3時前の出来事でした。

その日は友人と二人、東京ディズニーランドで楽しい休日を過ごしていました。

 

久しぶりにディズニーランドを訪れた友人は、

カメラを片手に写真を撮って楽しんでいます。

 

余りの暑さに、夏祭りのイベントが始まる前、

木陰のあるベンチで休憩していたのですが、

楽しい太鼓のリズムとともに

イベントが始まり、

急いでカメラを片手にベンチを立って見に行った瞬間

携帯をベンチに置いたままにしてしまったようです。

 

その状況を察知した友人は、

みるみる表情が硬くなっていきました。

 

携帯電話を紛失したら、大変な事になるのは

目に見えていたからです。

 

 

 

慌ててその場に戻ってみると、

そのベンチには小学生らしき男の子たちが3人

ベンチに座って休憩していました。

その子たちが携帯に気づかず

上から座らない限り、

その場に携帯がすでにない事は一目瞭然でした。

 

 

一瞬、え?と思う気持ちもありましたが、

その気持ちを押えつつ様子を見てみると、

一人は携帯で、一人はゲームを、

一人はお茶を飲んでいます。

 

 

どうやら子供たちだけで、

遊んでいる様子。

 

とにかく聞いてみよう!

そう判断し、

 

「すみません。このベンチに、携帯電話落ちていなかったですか?」

 

と話しかけてみました。

 

すると、

いきなりすぎたのか、

一瞬ビックリして固まってしまいました。

 

知らない人に尋ねられたのですから、

当然です。

 

しかし直ぐに状況を理解してくれて、

 

「はい、見ました。

係りの人にとどけました。

あ、そこの人です。」

 

と、指を指して教えてくれたのです。

(やったー!!!これで大丈夫だぁ)

 

 

そう内心思い、小躍りした気分になりました。

 

彼らが指を指したのは、カストーディアルのおばあ様です。

(東京ディズニーリゾート内で白い上下を着ておられる清掃担当の方です)

そこですぐに携帯を返してもらって、

良かったね~となるイメージでお聞きしてみました。

 

「すみません、さっきそこのお子さんたちが、

携帯電話を拾って届けたと教えてくれたのですが、

お手元にありますでしょうか?」

 

そう尋ねると、

 

「こんにちは。

いいえ、受け取ったのは私ではないですね。。。

でも、もし違う人が受け取っていたとしても

この近くのショップに届いている可能性が高いので、

一緒に行って聞いてみましょう!」

 

そう言って笑顔で対応してくださりました。

イメージしていたものと反応が違ったので、

少しショックな気持ちになりましたが、

気を取り直し、ついていく事に。

そこはウエスタンランド。

カントリーベアーシアターというアトラクションや、

ウエスタンのグッズを販売しているお店に

カストーディアルのおばあちゃまは、ずんずん入って行かれます。

しかし、すべて近くのショップでは携帯の落し物が届いていないとのお返事。

 

カストーディアルのおばあちゃまは、

「でも、少し時間がたてば総合案内に届くと思います。

お手数ですが、入り口近くの総合案内へ行ってみていただけませんか?」

 

 

と、暑い中ひたいに汗をにじませながら笑顔で

そう教えてくださいました。

 

 

友人と、急いで総合案内へ。

東京ディズニーランドの総合案内は

入口入ってすぐ左手の方にあります。

 

 

中に入ってみると、午後3時半ごろだというのに、

少し列が出来ていました。

10人くらいのゲストが待っているのです。

 

この現象に少しびっくりしつつも

並んで待ちながら順番が来たゲストの話を聞いていると、

どうやらほとんどの人が落し物、忘れ物だったのです。

その数の多さに少し驚きながら、

私達の番が来たので、話を聞いてみることに。

 

「お待たせしましたっ!どうされましたか?」

 

100点満点の笑顔で受付をしてくださいます。

20代前半の背の高いお兄さんです。

 

「どうやら携帯電話を落としたようなのですが、

拾った方が届けてくださって~…」

 

と、事の経緯をお話しすると、

一つ一つうなずきながら確認するように聞いてくださり、

 

「少しお待ちくださいね!確認して参ります。」

 

と、笑顔を残してオフィスの奥に。

少しして戻ってこられると、

ニコッと笑顔で

 

「どうやら似たような状況と形状の携帯電は、

ホーンテッドマンションに届いているようです。

お時間頂ければ、こちらの総合案内に届きますが、

もし、ファンタジーランドに行かれるご予定があるようでしたら、

そちらでも受け取り可能です!」

 

一刻も早く携帯と再会したいので、

お礼を言い、直ぐに来た道を戻り、

ホーンテッドマンションへ。

入り口に立っているキャストのお姉さんに声をかけてみると、

少しお待ちくださいねと奥に入って行かれます。

この35度を超える猛暑の中、

マントを着て長袖は暑くないのかしら・・・

等と思いながらお待ちしていると、

笑顔でキャストのお姉さんが戻ってこられました。

 

 

手にはまさしく友人の携帯電話が!

 

 

「あーーー!!!!!

これです、ありがとうございます!助かりました!」

 

と事の経緯をお話しすると、

 

「良かったですね!携帯電話が無くなるとショックですよね。

どうやら、落し物として受け取ったカストーディアルが

ウエスタンランドからファンタジーランドへ移動している途中だったようで、

それで、こちらに届いたようなんです。」

 

「本当にありがとうございます!!!」

 

 

もう、私も友人も感謝の気持ちでいっぱいです。

 

「どうぞ、楽しい一日をお過ごしくださいねっ。」

「ありがとうございました!」

 

 

と言って、別れた後携帯を確認すると、

電源が切ってありました。

 

 

それは、もしその友人の携帯に

電話がかかってきた時に電源が入っていたら

「なぜ電話に出ない?」と思われるかもしれない。

だから電源を切る事になっているのでは。

 

 

そう、友人と二人で話をしていると

ディズニーランドがゲストに対して気遣いをしてくれている

こまやかさを感じられて感動してしまいました。

 

無事に携帯が手元に届くと、

携帯を落としてからここまでかかわってくださった方々へ

お礼の言葉を伝えたくなりました。

拾って届けてくれた子供たち。

カストーディアルのおばあちゃま。

総合案内の笑顔和やかなお兄さん。

 

 

子供たちはすでに移動していて見つからず、残念。

さすがに4万人近くの来園者の中を探すのは容易ではありません。

心の中で、“ありがとう”とつぶやきました。

 

 

総合案内のお兄さんは休憩に行かれていたようなので、

お礼の伝言をお伝えしました。

 

そして、カストーディアルのおばあちゃまを捜し歩いていると、

さっきとは少しだけ違う場所で、

掃除をされているおばあちゃまを発見しました。

 

嬉しくなり

走って駆け寄り、

 

 

「携帯ありました!ありがとうございました。

お礼が言いたくて、探していました。

もう一度お会いできて良かったです!」

 

 

そう伝えると、満面の笑みで、

 

「良かったですね!本当に良かった。

まだまだ日差しがきついから、

何も買わなくていいからショップに入ったりして、

休息を取りながら、今日一日楽しく過ごしてくださいね。

本当に、

わざわざ私を探しにここまで来てくださって、

ありがとうございました。」

 

 

そうお言葉を投げてくれた後、

私達が遠くで見えなくなるまで手を振ってくれていました。

 

 

 

携帯電話をベンチに置き忘れてから約1時間

真夏の東京ディズニーランドで起こった出来事でした。

 

1時間歩き回りましたが、

疲れよりも心地よい感謝の気持ちが

私の中には広がっていました。

空は少し夕方の色に変わっていました。

 

 

 

あなたにhappiness♪

 

 

 

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コメント

  1. かとういくこ より:

    すごく素敵なお話です(*^-^*)!!
    あの場所にいると、本当に幸せになれますね!

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